2026-04

小説

アース星の友へ

アルファ・ケンタウリ恒星系の第5惑星であるイプシロン星は、母星のアルファ・ケンタウリ恒星から遠く、地球の数十倍の直径と数百倍の質量を持つ巨大な星である。母なるアルファ・ケンタウリ恒星は、はるかに遠く小さく見え、弱い光をイプシロン星に送ってい...
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霞ヶ浦タイムズ

毎朝新聞東京本社文化部記者だった吉井正造は、定年を四年残して退職し、故郷の茨城県霞ヶ浦湖畔の町に帰ってきた。父親の信二郎が癌を発症して昨年急逝し、実家には七十八歳になる母親の佐紀が独り残されていた。佐紀も膝と腰が悪く病気がちで、認知症の症状...
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鯉の浮島

浮島は、かつて茨城県霞ヶ浦の湖中の島だったが、戦前から周囲で少しずつ開始された干拓が戦後本格化した。現在は甘田入、野田奈川、西ノ洲、本新島の各干拓事業により、陸域に繋がった。干拓地は水田、ハス田、牧草地、畜舎、宅地などとして土地利用されてい...
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行方(なめがた)高校地歴部々長候補

茨城県立行方(なめがた)高等学校二年の芹沢健人は、入学以来、クラブ活動を敬遠して、授業後すぐ帰宅する『帰宅部』だった。「クラブ活動なんか、勉強のじゃまだよ。疲れるだけでしょ。僕は図書館から借りた好きな本を読んでいればいいっす。読書は勉強にな...
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白蓮華菩薩

霞ヶ浦周辺湿地は日本一のレンコン産地である。もともと、稲を作る水田だったが、昭和四十五年から始まった米の生産調整で転作奨励金が出たことや収益が稲作よりも良いこと、米作りほど手間がかからないことから、レンコン栽培が拡がった。霞ヶ浦周辺の湿田で...
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合歓の花影

「おばあちゃん。この写真集、見て。図書館から借りてきたの。隣町の和菓子屋の鴻野さんが何年か前に出されたの。鴻野さんって、アマチュアカメラマンだったのね」 初夏の昼下がり。茨城県霞ヶ浦に隣接する町の図書館で、パートで司書を勤めている孫娘の毬子...